当社は2016年3月に策定した「お客さま第一宣言」の実践を通じて、お客さま本位の業務運営の実現に努めています。運用力KPIは、この「お客さま第一宣言」の中で掲げる「お客さまの資産形成に一層貢献できる運用力の実現」に向けた取り組みの成果を測る指標です。現在当社では、以下の3つの指標を運用力KPIとして定め、取り組みの成果を定期的に評価するとともに、お客さまへ情報開示しています。
- 運用力KPI①:国内株式公募投信に対する外部評価会社のレーティング
- 運用力KPI②:運用人材、チーム運用力の状況
- 運用力KPI③:ESG要素を投資価値分析に織り込んだ国内株式運用商品の受託残高
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- 運用力KPI①:国内株式公募投信に対する外部評価会社のレーティング
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- リスク調整後リターンは当社がお客さまに提供する価値の根幹であり、「運用力」に関する直接的な指標です。当社はお客さまの中長期的な資産形成に一層貢献するため、中長期の運用目的に適した商品の提供に注力しています。特に国内株式運用商品は、1986年の創業以来、アクティブ・バリューの運用スタイルを貫き、DCなどを通じた資産形成に資する主要商品と位置付けています。
- このリスク調整後リターンを測る指標として、国内最大手の投信評価会社であるウエルスアドバイザー社による中長期のシャープ・レシオを評価基準とするファンド格付(ファンドレーティング)を採用し、対象となる「国内株式公募投信のファンドレーティングの残高加重スコア(※)と4★以上獲得率」を時系列でモニターしています。
<国内株式>
- 2023年度は、一部の大型株に物色が集中する市場環境が当社のアクティブ戦略に不利に働いたため、当社の国内株式運用のパフォーマンスは3年ぶりに市場平均を下回り、「国内株式公募投信のファンドレーティングの残高加重スコアと4★以上獲得率」も低下しました。一方で、東証の資本効率改善要請に対して企業が対応を行いはじめるなど当社のアクティブ・バリューの運用スタイルに対してポジティブな変化も見え始めました。当社では市場の短期的な値動きに過剰に反応することなく、引き続き中長期的な視点から本源的価値の分析に拘ったアクティブ・バリューの運用スタイルを堅持していく方針です。
- ※残高加重スコアについて
- 1.ファンドレーティングのレーティング対象として採用されている当社国内株式公募投信(以下:「ファンド」と呼びます)群を母集団とします。
- 2.母集団の残高合計に占める、個々のファンドの残高割合を残高比率とします。
- ✓Aファンドの残高比率 = Aファンド残高 ÷ 母集団の残高合計
- 3.個々のファンドに付与されたファンドレーティングのスコア(5★=5 ~ 1★=1)に残高比率を掛けたものを残高加重スコアとします。
- ✓Aファンドの残高加重スコア = Aファンドの残高比率 × スコア
- 4.個々のファンドの残高加重スコアの総和が全体の残高加重スコアとなります。
- ✓全体の残高加重スコア = Σ(個々のファンドの残高加重スコア)
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- 当社は、質の高い運用人材と組織こそが優れた運用成果を産み出す「運用力」の源泉であり、運用会社として最も重要な経営資源であると考えています。中長期の資産形成のパートナーとしてお客さまに安心してお取引いただくために、長期的なビジョンのもとで運用体制の安定と強化に取り組んでいます。
- この運用体制の安定と強化を測る指標として、総力としての「運用プロフェッショナル人材数」、資産運用ならびに当社の投資哲学・運用スタイルの習熟度を示す「平均運用経験年数」と「平均在籍年数」、熟練人材の定着状況を示す「シニアマネージャー定着率」を時系列でモニターしています。
- 2023年度は、シニア層の一部に退職がありましたが、運用プロフェッショナルも含めた全社員のエンゲージメント向上への取り組みなどを通じて安定的なチーム体制の維持に努めた結果、「平均在籍年数」は上昇しました。
(注)
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運用プロフェッショナル人材とは、当社の運用部門で運用業務に従事する従業員を指します。
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- 運用力KPI③:ESG要素を投資価値分析に織り込んだ国内株式運用商品の受託残高
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- 当社は、お客さまの投資収益の最大化と社会・経済全体の持続的発展の両立を目指して責任投資に取り組むことは、スチュワードシップ活動の実効性を高めることを通じてお客さまの中長期的投資リターンのさらなる向上に繋がる「運用力」そのものである、と考えています。お客さまに必要とされる運用会社であると同時に、企業などの発行体や国際社会に必要とされる運用会社であることを目指し、責任投資の普及に努めています。
- この責任投資の普及状況を測る指標として、「投資価値評価にESG要素を適切に考慮する運用プロセス(ESG インテグレーション)」を採用し、企業価値向上と社会・経済の持続的発展に向けた対話を積極的に行っている「国内株式運用商品の受託残高」を時系列でモニターしています。
- 2023年度は、高い配当利回りの獲得を目指す金融機関のお客さま向けに、新たな国内株式運用商品を複数ご提供しました。また、年度を通じて株価は上昇傾向となった結果、「ESGを投資価値分析に織り込んだ国内株式運用商品の受託残高」は増加しました。
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