こんなときどうなる?
新NISA制度の使い方

2024年1月から新しいNISA制度がスタートします。せっかく投資を始めるなら、2024年を待たずに今から始めたいという方も多いはず。一方で、制度が切り替わるタイミングが近いとあれこれ疑問が多くなるはずです。このコラムでは現行NISA(~2023年)から新NISA(2024年~)への切り替えで出てくる4つのギモンを紹介しています。

Q.現行NISAと新NISAは何が違うんですか?

A.新NISAでは期間の制約が無くなり、投資の自由度が増します。

現行NISAと新NISAの違い

新NISAでは非課税保有期間が無期限になったことで、資産運用の基本である長期投資を実践しやすくなりました。加えて非課税保有限度額も大幅に拡大し、一度売却した後の再利用が可能になったことも大きな変化です。例えば、若いうちからNISAを利用した資産形成をスタートした人が、車の購入や子供の進学等、ライフステージの変化や大きな買い物等があった際には運用している資産を売却し、復活した投資枠を利用して投資を再開し老後の資金準備に備える等、新NISAはより柔軟で長期的な資産形成が出来るようになりました。また、非課税限度額は一人当たりの金額なので、例えば夫婦でそれぞれNISA口座を開設すれば1世帯で3,600万円分の金融資産に投資することが可能です。教育資金や老後資金、マイホーム資金の準備等、あらゆる世代、あらゆる目的の資産形成に対応できるようになったのではないでしょうか。

Q.現行NISA口座で保有している商品は、そのまま新NISA口座に移すことができる?

A.現在NISA口座で保有している商品を移すことはできません。

2023年までのNISA(現行NISA)と2024年以降のNISA(新NISA)は同じ制度名ではありますが内容の異なる別制度になります。そのため、現行NISAで保有している商品を新NISAで保有したい場合は、もう一度同じ商品を購入する必要があります。
同様に課税口座(特定口座や一般口座)で保有している金融商品をNISA口座に移すこともできませんので、非課税保有をしたい場合は新NISA口座で再度購入する必要があります。なお、現行NISAで保有している商品は2024年以降も一定の期間(一般NISAなら購入から5年間、つみたてNISAなら購入から20年間)非課税のまま継続保有が可能です。2024年に新NISAがスタートしたからと言って現行NISAで保有している商品を慌てて売却する必要はないのでご注意ください。

Q.子供(未成年)がNISA口座を利用することは可能ですか?

A.NISA制度は18歳以上が利用可能な制度です。

NISAは18歳以上が利用可能な制度なので未成年者の利用は2023年末で制度が終了するジュニアNISAのみとなります。ジュニアNISAで投資した場合、18歳になるまでは引き続き非課税で保有することが可能です。
2024年以降はジュニアNISAは利用できません。教育資金などの準備は課税口座やご両親がNISA口座で準備されてはいかがでしょうか。

Q.今から始めるより、2024年の新NISAスタートを待った方が良い?

A.現行NISAを利用すれば非課税投資枠を増やす事ができます。

一般NISAとつみたてNISAの違い

2023年中に現行NISAを利用することで、新NISAの非課税保有限度額1,800万円以外にもう一つ非課税投資枠(つみたてNISAなら40万円、一般NISAなら120万円)を持つことができます。ただし、気を付けていただきたいのは現行NISAの非課税投資期間は有期だということ。資産運用は長期投資が有利なので、少しでも長く非課税運用を継続するために投資枠は少額でも「つみたてNISA」を活用するのが良いのではないでしょうか。今年の内にNISA口座を開設しておけば、2024年に新NISAがスタートする際には手続きなしで同じ金融機関に新NISA口座が自動的に開設される見込みです。

なお、つみたてNISAと新NISAのつみたて投資枠で投資可能な商品は同じなので、制度は違っても同じ商品でつみたて投資をすることができます。「もう少し安くなったら」「もう少し市場が落ち着いたら」というように、タイミングを考えるあまり、結局投資を始められずに値段だけがどんどん上がっていくという経験はないでしょうか?実際、タイミングを見極めて利益を得るというのは投資のプロにも難しいことです。エントリータイミングより重視したいのはどれだけ長く続けられるか、という点です。投資期間を長く持つことができれば複利効果も期待でき、短期的な値下がりにも影響されにくくなります。投資の「タイミング」ではなく投資にかける「期間」に視点を移してみましょう。

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